コンクリート圧送工とは、住宅やオフィスビル、マンション、橋などのコンクリートを使う工事現場で仕事をしています。生コンクリート運搬車で工事現場に運ばれてきたコンクリートをコンクリートポンプ車という消防車に似た機械を使って決められた場所に送り、型枠という木などで作られた枠に流し込む仕事が専門の職人さんです。
優秀施工者国土交通(建設)大臣顕彰者の通称です。建設マスター制度は、建設現場において工事施工に直接従事し、優秀な技能・技術を有する建設技能者を「優秀施工者」として国土交通(建設)大臣が顕彰することで、「ものづくり」に携わっている者の誇りと意欲を増進させ、能力と資質の向上を促進するとともに、その社会的評価・地位の確立を図り、建設業の健全な発展に資することを目的として平成4年度に創設されました。
コンクリート工事は、構造物の構造・品質に直結する重要な役割を担う。阿部さんは、33年も携わってきたが、「自分一人ではできません。他の職種の方々と連携し、共同作業があってはじめて可能になる」と話す。他の職種とは、鉄筋工や型枠大工のことで、鉄筋工の方が鉄筋を組み、型枠大工さんが型枠を組んでコンクリートの打設が可能になるのだ。 自分勝手に作業すると、連携は保てない。その結果は、「いい建物はできない」。品質に直結し、工事の安全確保にまで影響をあたえてしまう。そのため、常に周りの職種とコミュニケーションをとり、品質や安全性にこだわってきた。 コンクリートを打設しても、その状況は型枠を取りはずすまで目にすることができない。その間は、期待と不安が交錯する日が続く。そしてコンクリートが固まり型枠を取りはずす瞬間は、最も緊張するときだ。型枠を開けてイメージ通りに仕上がったコンクリートを見た瞬間の喜びは大きい。
コンクリート工事も経験がものをいう仕事だ。特に、どんな方法・手順で打設するかは、元請けのゼネコンと協議して決まるが、工程上も重要な要素になる。 阿部さんは、街を歩いていて建設現場があると、つい覗いてしまうほど、常に仕事を意識している。33年間でコンクリート工事の進歩を肌で感じ取ってきた。かつては生コンを積んだ一輪車を手押しして打設していた。今はポンプ車から圧送して打設するのが一般的だ。操作や生コンの吐出量は、コンパクト化した装置を胸から下げて遠隔操作できるまでに便利になっている。もちろん、安全については最優先している。